この春『せんせい』になるあなたへ

ああ、2ヶ月ぶりの更新となってしまった...

なかなか更新できなかったのには理由があるのですが、それはまた改めて別の記事にしたいと思います。

今日は宣伝です。

 

来月、英語教師を目指す学生に向けて、私が所属している語学教育研究所にてセミナーを開きます。

お近くにそのような学生さんがいらしたら、お伝えいただければ幸いです。

 

なお下記案内の内容は語学教育研究所のホームページにも掲載しており, 

そこから申し込みが可能です。 

 https://www.irlt.or.jp/modules/eguide/event.php?eid=121

 

                               

1 開催日時  2月12日(土)14時〜15時30分 

2 開催方法  Zoom によるオンライン開催  ※学生無料

3 対  象  英語教員を目指す大学生(学部3・4年生、大学院生向け)

4 講師と内容  

   中尾愛<つくば市立並木中学校>

  「この春『せんせい』になるあなたへ」

  概要: 来年度「英語教師」になる学生のみなさんを対象にしたセミナーです。教員5年目となる講師の試行錯誤を共有して、より良い指導のあり方を一緒に考えてみたいと思います。また、赴任前の期待や不安を分かち合い、それぞれが少しでもゆったりとした気持ちで「せんせい」としての一歩を踏み出せるような時間にできたらと思います。

 

5 申込方法 

   以下の申込ページに「名前」「住所」「連絡先(携帯番号)」 

   「メールアドレス」「その他」 を入力のうえ申し込んでください。 

   https://www.irlt.or.jp/modules/eguide/event.php?eid=121

     

   ご入力いただいたメールアドレス宛にZoom情報をお送りいたします。 

 

 6 申込締切  2月12日(土) 12時

「教える」ことに執着するわたし

www.edu.pref.ibaraki.jp

いばらき教育の日・教育月間シンポジウム

井本陽久氏の講演を聴きました。(オンライン視聴)

 

「教育関係者だけではなく、保護者や人材育成担当者にも」

というPRだったので、日曜日、連れ合いを誘って子供のお昼寝中に視聴した。

 

ご自身の勤務校である栄光学園の生徒たちの日常写真から、

本題である教育観について語った井本さん。

井本さんの実践は、NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」で少し知っていたけれど、

ほんと、タイトル通りに「子供のイキイキ」をとにかく大切にするものだ。

 

「いま、大人たちは先回りして子供たちに『自分の思う良いもの』を与えようと躍起になっている。

 でも、それで本当に子供は幸せですか?

 なぜ、子供の『いま』をみないのですか?」

 

「大人たちが子供を変えようと一生懸命になっているけど、子供たちは「ほんとうに」思うように変わるでしょうか?

 子供は自分の手で変わりません。だって自分とは違う一人の人間なんだから。」

 

井本さんの実践はすごい。生徒たちの目が輝いている。時間を忘れて没頭する子供達がそこにいる。

井本さんの主張もよく分かる。でも、腹の底から納得しているか、と問われると、Yesと気持ちよく答えられない。

井本さんみたいになりたいという気持ちはあることは確かだ。でも、具体的にどうやって?と頭を抱えてしまう自分がそこに居る。

 

どうして私は両手をあげて彼の考えに賛同できないのだろう?とかえりみると、自分の教育観の根っこが井本さんのそれとは異なるものだからかもしれないと思うようになった。

 

私は「ありのままの自分はそのままで素晴らしい」と思っていない。

変わらなくてはいけない、成長しなくてはいけない、もっとよりよくあるべきだ、と信じているんだと思う。

自分自身はとても怠惰だし、「ありのままで〜」という言葉は耳に優しく響く。

だからこそ、そんな言葉に甘えてはいけない、と思ってきた。

生徒たちにここまでストレートに伝えてはいないけど、きっと言葉以外のいろんなものでなんとなく伝わってしまっているかもしれない。

 

こんなことを連れ合いと話していたら、それは私の専門教科が英語であることも関係してるんじゃない?と指摘された。

確かに英語って、「単語覚えて、文法知ってなんぼ」のところがあるから、「教える」っていうイメージが自分の中でも強いのかもしれない。

国語とか社会とかだったら、前提の知識を使ってみんなで考えてみよう、みたいなことがより簡単なように思える。

 

でも、だからこそ、日常生活の何気ない場面で、生徒に教えてもらったり、生徒と一緒に経験することが私は好きなんだよな。

こうやってぐるぐる、結論は出ないまま。でもこうやってモヤモヤを言語化できたことを小さな一歩と思おう。

 

ひとりの子の親としては、子の「好き」に存分に付き合いたいな、と改めて強く感じられた講座でした。

井本さんの実践をこれからも楽しみに、私は自分の現場でがんばります。

 

企画してくださった茨城県教育庁のご担当者様、ありがとうございました。

 

「~ありのままを認めれば、子どもたちは最高に輝く~」

 大切なのは「ふざけ」「いたずら」「ずる」「脱線」

 叱らず教えなくても子供は育つ

まな板の上にのぼります

「(一般財団法人)語学教育研究所」をご存知でしょうか。

(以後略称であり愛称でもある「語研」と呼ぶことにします。)

 

1923年に “The Oral Method”の提唱者である英語学者ハロルド・エドワード・パーマー(Harold. E. Palmer)によって設立された「英語教授研究所」の流れを汲む、日本最古の英語教育研究機関です。

発足当初から「英語の授業は英語で」を理念に掲げて、直接的・段階的な英語の授業に関する研究や実践を重ねています。

現在、日本にはさまざまな英語教授法の研究組織が存在しますが、近代以降の英語教育研究の歴史を語る上で欠かせない研究所だと思います。

会員は各々の抱える問題意識によって所属する研究グループを選ぶことができ、その研究テーマは多岐にわたっています。

語研はまさに、「英語教師による、英語教師のための」研究集団と言えるでしょう。

 

そんな語研の、年に一度の研究大会をなんとなく訪れたことが、私と語研の馴れ初めです。

「授業研究」というタイトルに導かれ、森美穂先生(東京学芸大学附属世田谷中学校)の発表を聞きながら私は、すがるべき藁がここにあることを予感しました。

発表の最後に、助言者・淡路佳昌先生(大東文化大学)が「授業に困っている先生が居たらぜひ来年度の授業者に応募してください。」とおっしゃった時、私は何の疑いもなく、これこそは私に差し出された救いの手だと確信したのでした。

 

幸いにも、私は翌年の2017年度の授業者として採択され、無事にまな板の上に乗せられることになりました。念願のコイになれたのです。

 

そしてその4年後となる今年、再び「授業者」としてコイになることに。

新型コロナウイルスの感染拡大による休校など、定期観測はなくなり、今年は趣旨を少し変えて「中学1年生の授業」に関してみんなで語り合おう、という会になると思います。

私の「コイ感」はあまりないかもしれません。

 

でも、私の「問題だらけ」の授業を共有することによって、中学1年生を受け持つ先生方と、「どうやって教えてる?」という大問題についてざっくばらんにお話しできたらなあと思います。

発表前にここで色々と書いてしまうと、ネタバレになってしまいそうなのでここらへんでやめておきましょう。

 

ということで、宣伝でした。

 

http://www.irlt.or.jp/uploads/gokentaikai2021program2.pdf

先生のたまごたちへ

勤務校にはいま6人の教育実習生が来ている。

パリッとした白いシャツに、真っ黒のスーツ。少し緊張した面持ちの大学生たち。

実習生が居ると、生徒も教員も心が少しだけ浮き立つような気がする。

 

私は彼らと深く関われる立場には居ないのだけど、

廊下ですれ違ったり、職員室で指導教員と話している彼らを見つけたりすると

心の中で「がんばれー!」とエールを送っている。

 

先日、指導教員の先生が出張だった時にてん補としてHRに入った時に、

実習生が堂々と帰りの会をまわしていて、びっくり。

指導教員の先生が「後ろで見守っていてください」と言付けを残して出かけていったけれど、

本当に後ろで見ているだけだった。

 

彼女の凄いところは、どんどん生徒の中に入っていくこと。

最初から「うまく収めよう」と思ってないところ。

生徒に語りかけて、でも、その後同じくらいの時間をかけて生徒の反応をきちんと待つところ。

最後は自分のメッセージを届けよう!という強い意志が感じられるところ。

 

私だったら、怯んで最後まで突き通せなかったり、

まだ伝わらないかな、と諦めてしまってないだろうか。

部活の時間も迫っているし、早くさよならした方が生徒も嬉しいよね、とか

いろんな言い訳を用意して自分をオープンにしてない気がする。

自分の保身のために。

 

帰りの挨拶をして、生徒たちが去った教室で、ふたりで少し話をした。

教育実習、どんな感じ?というざっくりとした話から、

授業の話まで。

しばらく話を聞いていると、だんだん表情が変わっていく…

最初は緊張していたのかな。

「実は不安なんです」とぽつりぽつりと話してくれた。

 

彼女の話を整理すると…

どうやら、自分が配属されたクラスはいわゆる「やんちゃな子」が多い。

いろんなクラスを見て回っても、自分のクラスは授業の様子が他と違うようだ。

授業中もよく脱線してしまうし、生徒同士の言葉の応酬がひどくなってしまう時がある。

そんなクラスで、自分は「良い授業」ができると思えない。

研究授業で失敗して、先生たちに怒られたらどうしよう…

 

ふんふん、そうなんだ、と聞く。

「それはね、こうなんだよ」とすぐ突っ込まないように意識しながら聞く。

(ファシリティターの勉強中です)

吐き出したかな、と感じた時に、こちらからは少しだけ。

 

そもそも「良い授業」ってなんだろうね?

生徒がのびのびそこに居ることができたら良いんじゃないかな?

あと、先生たちはそんなこと(教育実習生に良い授業をしてもらうこと)を望んでないと思うなあ。

ここからはあくまでも私の考えだけど、

学校の外から大学生が来て、生徒たちや私たちと一緒に学んでくれることが一番のギフトだから、

あなたがここに存在していることそのものに価値があると思うよ。

それ以上のことは、プラスアルファのこと。

 

うーん、振り返ると、話しすぎたかなあ。

基本的に聞くことに徹したいのに、まだまだ我が出てしまう。

 

日々授業がうまくいかなくて落ち込んでいる自分でも、

同じように落ち込む他者を見るといっぱしに励ますんだなあ。

もっと自分のことも上手に励ませたら心持ちが明るくなるのかもしれない。

 

自分は指導教官ではないけれど、心の中でエールを送るだけじゃなくて、

ささやかなコミュニケーションでも良いから、少しでも彼女たちの心が温まるようなことばをかけようと思ったのだった。

きっとそれは自分自身へのことばでもあるのだから。

 

BGM: "かなしいゆめをみたら - remastered" By 青葉市子

初めまして。

初めまして。マルジこと、Marjane(マルジャン)です。

初めてのブログ記事ということで、今日は自分のことを少し。

 

英語教師として仕事を始めて現在7年目。

その間出産・育児休業で約1年半現場を離れていたのでキャリアとしては実質5年目の「若手」教員です。

思えば教壇に立ってから、たくさんのブログに励まされたり、救われたりしてきました。

お会いしたことのない、名前さえ知らない先輩方に、授業のtipsから生徒に向き合う姿勢まで、ほんとうにさまざまなことを教えていただいた、という実感があります。

そして、自分自身は何も書かなくて良いのか?書き記さなくて良いのか?と自問するようになりました。

 

みなさんのように素晴らしいネタも実力もないけれど、日々奮闘していること、迷っていること、苦戦していること...

そんなことを書いて考えていきたいと思います。

誰のためでもない、自分のためのブログ、スタートです。

 

BGM: "Forever Young", Bob Dylan